今日まで好きでいて良かった

アイドルを応援するのって、楽しい

意識改革

少し前にヲタクを休んだ。

理由は色々あったけれど、メンタル的にしんどくなってしまったから。

 

どうせ休むなら中途半端なことはしない方が良いかな、と思い全部の現場を一斉に休んだ。まぁ数ヶ月離れて認知が切れるならそれはそれで仕方がないことだし。

そしてヲタクを休んだことで現実に気付いてしまった。

 

ヲタクはお金がかかる。

 

時間やお金よりもメンタル的な理由でヲタクを休んだため、手元には給料がほぼ丸々残った。今まで給料の半分はカードで引き落とされていたし、残りも使い道が決まっていることがほとんどだったので、これは衝撃だった。

冷静に考えればチケット代・交通費・物販代で1日2万くらいかかっているんだから当然なのだけれど。

 

そして無駄に時間を持て余した私は今まで大して興味のなかった美容関連にお金をかけるようになった。正直見た目は芋ブスなので金をかけたところで…と思っていたフシがあったが、美容はたとえ効果がなくても何となく女子力が上がった気がしてテンションが上がる。だからと言って美人になって世界が見違えたという話ではない。

 

平日仕事して土日は引きこもってアニメを消化したり美容動画を漁る毎日。「暇だな~」と思わないこともなかったが、その内ドルヲタに復活することを考えたら今のうちにしっかり休んでおこうと思えた。

 

ヲタクを休んでいる間、SNSも休んだ。

現場に行かない以上推しのイベントを知っても仕方ないし、推しのプライベートは元々全く興味がないので別に気にならなかった。

 

しかしそこで、相方との温度差が生まれてしまった。

彼女は元々人に流されやすい人だった。そして私が離れている間、もう一人の友達と2人で参戦することで、そちらサイドに流れてしまった。

 

そう、彼女は接触厨になっていた。

 

別にこれを否定するつもりはカケラもない。お金と時間を何に使うかなんてその人の自由だし、アイドル側が接触を売っている以上、それを買うヲタクがいるのは当然のことだ。

しかし、私は根っからのライブ厨だった。接触なんてなくてもいい、いやむしろ今日を境になくなってくれていい。

 

アイドルの仕事は、「ステージで歌って踊って、ファンに夢と元気を与えること」だと思っている。

だから、ヲタクとの交流はアイドルの”仕事”ではなく、”ファンサービス”だと思っている。

 

相方と2人で現場に通っている間、流されやすい彼女はすっかり私の思想に染まっていた。押しつけたつもりはないが、洗脳している自覚はあった。だけれど、私は長年培ってきた持論を変えるつもりなんてサラサラなかった。

そうやって私の思想に染まっていた彼女だが、時々私とは違う考えを持つことがあった。そして、それは決まって接触イベントの後だった。

 

彼女の推しは所謂「ガチ恋営業スタイル」というものだった。私は正直アイドルがこれをするのは好きじゃない。地下の地下のアイドルで30歳で崖っぷちでもうこれしか道が残されていないとかならまだわかる。でもほとんどの場合そうではない。

ガチ恋営業をかけられてまんまとのめりこんでいく相方を見て、私は彼女の推しに恐怖すら覚えた。自分が推しているグループの一員だというのに。

 

そして私が休んでいた数ヶ月の間にそれは加速していた。久々に会った彼女はもう数年前のプライベートとヲタクを両立させていた彼女ではなかった。

表面上はもちろん両立している。仕事もしているし一人暮らしで家事も頑張っている。でも私にはアイドルの闇に引き込まれてしまったドルヲタにしか見えなかった。

 

ヲタクを休むと決めた時、もしかしたら認知が切れるかもな、とは思った。例え覚えていてもよそよそしくなるかもな、とも思った。それは覚悟していたことだった。

 

けれど、友達との心の距離がこんなにも離れることは想定していなかった。

 

悲しいし寂しいし、どうしてという気持ちがない訳ではない。

しかし、こればっかりはどうしようもないことなのだ。決して彼女が何か悪いことをした訳ではない。もちろん私も。

ただ考え方が交わらない方向へと変わってしまっただけ。

 

そしてそれはもしかしたら、彼女も思っていることなのかもしれない。

先に変わってしまったのは彼女か私、果たしてどちらだったのだろうか。

その答えを、私は永遠に知ることはないだろう。